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衛藤賢史のシネマ教室

ローン・サバイバー

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   2014/03/25

最近のハリウッド映画は実際にあった出来事を脚色した作品が、観客の反応がいいと見たか続々と映画化されているが、この作品もアフガニスタンで実際に実施された作戦をベースにしている。
海兵隊の中でも凄まじいサバイバル訓練を突破した最強の兵隊たちの集まりであるシールズの4名に、2005年<レッド・ウィング>と呼ばれた過酷な作戦が命令された。
ターゲットはビン・ラディンの側近アフマド・シャー。200名の部下を持つ最強の4名の指揮はマーフィ大尉、後の3名はそれぞれ特殊技術を要する精鋭ばかり。
狙撃兵であり衛生兵であるマーカス・マトレルたちは、シャーを確認したものの、アフガンの峻厳な山地に通信機能がうまく作動せず本部の指示がよく伝わらない。そこに地元の羊飼いの3名と遭遇する。本部の指示が受けられない以上、自分たちの判断となり最終的にはリーダーのマーフィが羊飼いたちを解放し、彼らがタリバンに報告する前に電波の届く頂上へと移動し、本部の派遣するヘリで帰還しようと決める。
しかし、4名が頂上と判断した山はより高い山に囲まれ通信を傍受できない。
さらに予測よりも早い速度でシャーが指揮する200名のタリバンが迫ってきたのだ。200名対4名では、いくら精鋭中の精鋭のシールズの猛者でも不可能である。万にひとつの僥倖を頼りに4名のシールズの200名を相手の壮絶な戦いが山中で開始された。本部では通信が途絶した4名の行方にヤキモキするも場所を特定しなければ救助に行けない。そして圧倒的なタリバンの前に一人また一人と倒されていく。
しかし、ただ一人生き残ったマーカスに驚愕の奇跡が訪れる…。
仲間たちの技量を信じて、決死の行動をするシールズに兵隊たちの勇気と信頼関係。そして山中の戦いの超リアルな描写は、最新兵器の凄まじさをみるぼくらも戦場にいるような臨場感で迫ってくる怖さを体感されてくれながら、人と人とが主義の違い民族の違いで殺しあうやりきれなさを痛感させられる作品となっている。
それだけマーカスが体験する驚愕の出来事が、真実であるだけに、人間というものは、まだ捨てたもんじゃない、という感慨を覚えさせてくれるのだ。
もちろん、これはアメリカ目線の映画なので見る僕らは平衡感覚を有して鑑賞しなければならないのは確かだが、人間の気持ちを信じる、という一点では救いのある作品となっている。
ぼくのチケット代は2,400円出してもいいと思う作品です。
星印は4つ差し上げます。

5点満点中4点 2400円

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