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衛藤賢史のシネマ教室

S-最後の警官- 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE

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   2015/09/01

TBSで高視聴率をあげたTVドラマの映画化であり、架空の警察組織である、犯人を生かしたまま捕らえる[確保]を目的とする警視庁特殊急襲捜査班(通称:NPS)の隊員の活躍を描いた作品である。
NPSの隊員・神御蔵一號(かみくら いちご)は、元ボクサーという経歴を持つ警官でNPS隊長・香椎に見込まれ、この新設の組織にスカウトされた。
香椎の統率の下、よく訓練されたNPSはいろいろな難事件で犯人を生かしたまま[確保]していったが、Mというコードネームを持つ国際テロリストを逃がしてしまう。
そのM=正木が今度はプルトニウムを収めたタンカーあかつき丸を東京湾沖でシージャックする事件が発生した。そして時を同じくして都内でスクールバスジャックが起きた、それはタンカーを護衛する海上保安庁特殊警備隊(SST)隊長・倉田の息子が乗っており、倉田の動きを制約させるための陽動作戦でもあった。
NPSの活動で犯人たちは[確保]されるが、NPSの狙撃手・林イルマが確保するため放った銃弾が犯人の肩を貫いて息子に瀕死の重傷を負わせてしまう。
一方、正木は獄中のテロリストの釈放と首相以下の閣僚たちが身代金を持ってタンカーに乗船することを要求してくる。タンカーを爆破されれば未曾有の惨事に日本が襲われることになる政府は、絶体絶命の事態の中、香椎の進言を信じ要求を飲むことにする。日本が誇る組織SAT(警視庁特殊部隊)NPS、そしてSIT(警視庁特殊捜査班)の3Sに加えてSSTの4つのS隊は互いの垣根を越えて、この最大の難事件に挑むことになる。神御蔵は前事件からの因縁の正木との決着をつけるために仲間と共に決死の覚悟でタンカーを急襲するが…。
日本映画としては、結構過激なポリスアクション物であり、銃撃戦の描写はアメリカ映画と肩を並べるリアルで迫力満点な作品となっている。
ただ、少し話の内容を手広く広げすぎて、ドラマの芯になるはずのポリティカルなシーンが雑になってしまったのは否めないし、人情ドラマ的ウェットな描写が多いのがはっきり言えば邪魔になってしまい、せっかくの迫力あるドラマ内容なのに、見る者に返って過剰なサービスとなり物語がもたれてしまったのは残念であった。
ぼくのチケット代は、2100円となってもいい作品でした。
星印は2つ半さしあげます。
 

5点満点中2.5点 2100円

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