OBS大分放送
衛藤賢史のシネマ教室

オデッセイ

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   2016/02/09

スケールの大きさといい、風格ある演出といい、SFドラマの世界もここまで来たかと思わせる作品となっている。
監督のリドリー・スコットは77才であるが、精神の弾力性はまだまだ若々しく、知的でかつエンターテインメントに満ちた新鮮な作品に仕上げてきた。
近未来。3度目の有人火星探査ミッション(アレス3)は火星に降り立った18日目に猛烈な嵐のため、本艇が倒れる危機に遭遇し、指揮官のメリッサ・ルイスは火星からの撤退命令をするが、6名のクルーのうちマーク・ワトニーが飛んできた通信アンテナに追突され行方不明になってしまう。クルーの必死の捜索にも関わらず発見できず、マークは死亡と判断され、火星に残したまま撤退する。
しかし、マークは奇跡的に生きていた!アンテナの一部が躰にささったまま居住施設にたどりついたマークは、傷の手当てを自力でしながら、たったひとりで火星に残された状況を受け入れる。地球との通信手段もなく、つぎのミッションは4年後、残された食料・水は1年分、しかも自分が生きてることは誰も知らない!すべてが絶望的である!しかし、植物学者であるマークは、諦めることをしなかった。すべてをポジティブに考え、まず食料・水の確保を考えはじめる。生きていれば何らかのチャンスがあるはず、ひとつひとつの問題を知力でクリアし、後は運命に従うのだ!と考えたったひとりの火星の人類としてサバイバルをはじめた。
その頃、NASAでは火星ミッションの責任者カプーア博士の指示で火星の衛星画像をチェックしていた女性職員が、マークが生存している痕跡を突き止めたのだ。
非情に困難だが、あらゆる手段を尽くしてマークを救うために、NASAのすべての科学知識を総動員しての救助作戦が開始される。
一方、火星のマークは、自分の知識・知恵を尽くして何とかサバイバルに励んでいた。さあ、マークは果たして生き延びれるか?NASAはマークを救助する手段を考えつくのか、タイムリミットが刻一刻迫る状況での救助作戦がはじまるが…。
最新特殊撮影画像を駆使しての、このサバイバルSF作品は、人類の叡智・考える力・ポジティブな思考の凄さを詰め込んだ知的迫力のある作品となっている。
活劇的SFの古典的世界を一新した、新しいSF世界に酔う映画でもあり、大スクリーンでの映画館で見るべきスケールの大きな作品となっているのだ。
ぼくのチケット代は、2,400出してもいい作品でした。
星印は4つ半差し上げます。

5点満点中4.5点 2400円

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