OBS大分放送
衛藤賢史のシネマ教室

ラプラスの魔女

   2018/05/11

東野圭吾の同名小説を読んだ方は、この科学的内容を満載した長編をどのように視覚化するのか興味津々で見るだろうし、小説を読んでない方はタイトルから見て、どんなミステリアスな内容か期待するだろうし、出演陣もいい!そういった意味で、この作品はゴールデン・ウィークには<もってこい>の映画と思う話題作となっている。
 
予測できない竜巻に巻き込まれる母娘の伏線的シーンから、この映画は始まる。
時が過ぎ、ある田舎の温泉町で著名な映画プロデューサーが硫化水素中毒で死亡しているのが発見される。町の依頼で、この原因調査を頼まれた地球化学の専門家・青江修介教授(櫻井翔)は、町の地質からして温泉が原因ではないかと判断する。が、そこに現れた東京の刑事・中岡(玉木宏)から自殺を装った殺人ではないかと相談される。硫化水素の性質を熟知する青江は、このような場所ではそれは不可能と突っぱねる。しかし後日、他の温泉町で俳優がまた硫化水素で死亡する事故があり青江は困惑する。このふたつの事故が、もし中岡の言うように殺人としたら、犯人は<科学的にその場所で起こる自然現象をあらかじめ予測できる>という科学の世界で[ラプラスの魔女]と称された未来を予知する性質だが、現代科学ではその数式の解明は不可能と知っている青江は中岡に否定するしかなかった。そんな青江の前に羽原円華(広瀬すず)という少女が現れる。円華の父親は世界的医学者・羽原全太朗(リリー・フランキー)で極秘の国家機密の研究をしていた。円華は父の研究対象者であった甘粕謙人(福士蒼汰)を青江と一緒に探して欲しいと頼むのだった。円華の異常な能力に興味を持った青江は同行することを承知する。その結果、しだいに判明する円華の予知能力の科学的知性に隠された秘密、そして、この出来事の鍵を握る謎の青年である謙人の正体とは・・・?
 
長編小説の映画化は、時間的制限のある映画では大胆に意訳する能力が必要となる。それは同時に重要なポイントを押さえることに失敗したら無残な結果となってしまう。三池監督は映画の生命である視覚的描写をこの作品の中心に据えた演出方法としてきた。それはそれで失敗作とは言えない演出であったと思う。俳優陣もよく健闘していた。だが、小説の生命線であった科学的描写はどうしても甘くなってしまったのだ。
ぼくのチケット代は、2100円出してもいい作品でした。
星印は、3ッさしあげます。

5点満点中3点 2100円
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