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衛藤賢史のシネマ教室

空母いぶき

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   2019/05/28

かわぐちかいじの同名人気コミックを実写映画化した戦闘サスペンス作品である。原作は現在も連載中であり、映画化に当たって原作の骨子をベースにして24時間で解決する内容となっている。

近未来の日本で12月23日未明。東亜連邦と称する強大な軍事力を有する国籍不明の組織が日本領土の島に襲来し、警告した海上保安庁の隊員を拘束する重大事件が発生した。この未曾有の出来事に日本政府は、対応するため閣議・国会を経て総理大臣である垂水慶一郎(佐藤浩市)は、苦悩の選択として航空機搭載型護衛艦「いぶき」を旗艦とした第五護衛艦群を現場海域に派遣する。「いぶき」の艦長・秋津竜太(西島秀俊)と副長・新波歳也(佐々木蔵之介)は、防衛大学の同期という間柄。そして「いぶき」には、このような事態が起こる前に日本ではじめての空母型護衛艦としての「いぶき」を取材するため本田裕子(本田翼)と田中俊一(小倉久寛)のふたりの記者が同行していた。東亜連邦は、そんな護衛艦群の警告を無視し連邦が所持する空母から発進した戦闘機や潜水艦によるはげしい攻撃を開始してきた。そのため「いぶき」の盾となった護衛艦「はつゆき」は魚雷攻撃ではげしく炎上する。裕子はその有様を呆然と見ながらも衛星回線で本社の上司(斉藤由貴)に動画を送る。そのスクープ映像に日本中は騒然となる。垂水はそれを見て、急遽テレビ会見をして事態の鎮静化への努力と日本の危機に際して自衛権を発動することを宣言する。しかし東亜連邦の攻撃は容赦なくつづき、守勢にまわって苦境に陥った中、秋津はある決断をするが・・・。

敵との交戦を回避するためあらゆる努力をする政府の動きと、攻撃される前線に立たされた日本の護衛艦群ぎりぎりまでの戦闘回避の動きを交互に見せながら、日本の立ち位置を描いたこの作品に賛否両論あると思うが、一本のフィクション作品として見たらクオリティの高いCG技術と、若松監督のテンポのいい演出によって評価できる内容となっていたと思う。
ぼくのチケット代は、2300円出してもいい作品でした。
星印は、3ッ半さしあげます。

5点満点中3.5点 2300円

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