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衛藤賢史のシネマ教室

シティーハンター 史上最香のミッション

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   2019/12/03

北条司の人気コミック「シティーハンター」をフランスが実写版で映画化してきた。傭兵あがりの凄腕の持ち主だが、困ったことにイイ女に出会うとすぐにメロメロになるリョウを主人公に、訳ありの仲間たちと組んで事件を解決していく痛快なコミックなのだけど、フランスでも人気があるとは知らなかった!それをフィリップ・ラショーが監督・主演してベターなナンセンス・アクションコメディの作品として映画化したものである。

ある事件で親友を亡くしたリョウ(フィリップ・ラショー)は、その妹カオリ(エロディ・フォンタン)を引き取り相棒として暮らしている。今日も生来のイイ女好きの件で、リョウはカオリからボコボコにされていた。そんな毎日を送っているふたりに、ある依頼が舞い込んできた。それは<キューピッドの香水>というその香りを吸った者は、その香水をつけた人の虜になってしまうという!それを悪用されると世界が大変なことになり兼ねない謎の成分の香水が盗まれたので奪回して欲しいというものだった。解香剤の効くまでのタイムリミットは48時間、それを過ぎたら解香剤の効力が失われてしまい永遠に香水をつけた人の虜になりつづけるのだ。リョウとカオリは必死でその香水の行方を探す。と言うのは、リョウは依頼人の男性が信じてもらうために自分の躰につけた香水を吸ったため、その男性の虜になり、カオリは自分にふりかかった香水を知らない浮浪者が吸ってしまい追いかけ回されるという情けないことになっていたのだ。さらに香水を盗んだのが、カオリの兄の死に関わるモナコの謎の組織らしき事が判明する。絶対に男性に恋する身になりたくないリョウと、見知らぬ浮浪者に追いかけ回されたくないカオリのコンビは、モナコへと飛び組織に迫るが・・・。

大槌でカオリからボコボコにされるリョウなどコミックでお馴染みのシーンを入れながら、イイ女好きの矜持を失われかねないリョウの必死の行動など全編ナンセンスコメディを満載して展開するストーリー構成は、原作のもつ色がかなり薄れた内容となっており、「シティーハンター」「エンジェルハート」ファンにとって、別の話しみたいなものとなったような失笑感はあるものの、フランスでも北条司の人気があることを確認されたことをよろこぶべき作品として、まあ許してやるかと思う内容であったのだ。
ぼくのチケット代は、1600円ぐらいかなと思います。
星印は、2ッさしあげます。

5点満点中2点 1600円

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