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衛藤賢史のシネマ教室

ミッドウェイ

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   2020/09/15

ミッドウェイ海戦は日本にとって敗戦へのターニングポイントになった出来事である。1942年6月5日~7日。ハワイ諸島ミッドウェイ島付近での日本にとって痛恨の敗北を喫した海戦なのだ!この3日間の壮絶な攻防を、R・エメリッヒ監督が日米双方の視点から描いている。

1941年12月8日、ハワイ島真珠湾のアメリカ艦隊への日本海軍戦闘機の攻撃によってアメリカ軍は苦境に立たされた。新たにアメリカ海軍指揮官となったニミッツ大将(ウッディ・ハレルソン)は、真珠湾攻撃を防げなかった責任を取り辞任したいと申し出る情報参謀のレイトン少佐(パトリック・ウィルソン)の留任を命じた。レイトン少佐の情報能力の確かさを評価していたのだ。レイトン少佐の日本海軍の作戦情報分析の緻密さを評価した、ニミッツ大将の英断がこの後ミッドウェイ海戦で生きることになったのだ!さらに日本に倣いアメリカは航空母艦と戦闘機の重要性を学習して増強していた。ベスト大尉(エド・スクレイン)をはじめとする有能なパイロットを航空母艦に乗せたアメリカ軍は、次の海戦に備えた布陣をとる。この戦争の早期終結を狙う山本五十六大将(豊川悦司)は、ミッドウェイで決着をつけようとして日本海軍の空母をはじめすべての艦隊を集結して戦いに挑んできた。しかし、アメリカ空母艦隊を発見できなかった日本空母艦隊は、アメリカの重要基地であるミッドウェイ島の攻撃に切り替え魚雷から爆弾作業の最中にアメリカ空母艦隊から発進したベスト大尉らの雲に隠れた艦上攻撃機からの捨て身の急降下爆撃による攻撃によって日本海軍は完敗する羽目に陥ったのだ。

俗に[魔の5分間]と呼称される日本空母上の兵器の入れ替え最中のアメリカ爆撃機の攻撃までの過程を日米双方の立場から描くこのドラマは、アメリカ軍の様々な階級の兵士たちの思いを中心にドラマティックでスペクタクルな作品としている。ただ日本人としては、エピソードのひとつに撃墜され洋上に漂うアメリカ兵士を捕虜にした日本海軍の残酷な扱いに違和感を覚えた。こんな出来事が生じるような事態がミッドウェイ海戦で起こり得る余裕などないよなと考えながら、この取ってつけたようなエピソードに寒々した感じを抱いたのはぼくだけではないと思うのだ。

ぼくのチケット代は、2000円出してもいい作品でした。

星印は、2ッ半さしあげます。

5点満点中2.5点 2000円

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