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衛藤賢史のシネマ教室

キネマの神様

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   2021/08/10

;20年、コロナ禍で主演の志村けんが亡くなり一旦撮影中止に追い込まれながら、その代役に沢田研二を起用し執念で作り上げられた松竹映画100周年記念作品です!

コロナ禍の現在!70年代後半のゴウ(沢田研二)は、ギャンブル漬けの毎日のため借金まみれの生活を送るダメ親父。妻の淑子(宮本信子)と娘の歩(寺島しのぶ)はその借金の肩代わりに追われる毎日を送っていた。若き頃のゴウ(菅田将暉)は、全盛時代の映画界で出水宏監督(リリー・フランキー)の助監督を務める将来を期待される映画人だった。活況を呈する撮影所で、スター女優の桂園子(北川景子)や出水監督にその才能を愛され可愛がられ、映画人が行きつけの店の看板娘・淑子(永野芽衣)から仄かな思慕を寄せられ、その行方を園子も出水も温かく見守っている。撮影所で働く沢山の仲間たちの中で、取りわけゴウと気が合う親友のテラシン(野田洋二郎)はゴウとは性格が真反対の物静かで思慮深い若者だが、彼も淑子に恋していた。そんな皆の応援の中、ゴウは自身の脚本が認められついに監督に抜擢された。だが、その撮影中ゴウは大ケガをして撮影所を去る羽目になった。その後を追いかける淑子を手伝う園子。テラシンも撮影所を辞め、かねてから考えていた映画館経営の道に進んだ。そして時は流れ現在。ゴウは借金まみれの老人となり、テラシン(小林稔侍)はミニシアターの映画館経営をしながらゴウを助けている。娘・歩の息子・勇太(前田旺志郎)は、祖父ゴウの初監督の脚本を見つけゴウと共に現代風にアレンジを加えた、その脚本を<城戸賞>に応募する…。

映画界が隆盛時代の活気ある撮影所へのノスタルジーをたっぷり盛り込んだこの作品は、現在と過去を行き来しながら映画への愛着を盛り込んだ内容となっているのです。代役ながらゴウの晩年を演じる沢田研二が、元気のいいダメ親父を好演しているのを見る楽しみもあります。映画好きの人にとって、往年の映画界を支えた小津監督や木下監督、そして原節子さんへのリスペクトをユーモアを交えながら見られるサービスも味わう事ができるのです。そして、ラストの志村けん氏への哀悼の表示に改めて胸が痛みました!

ぼくのチケット代は、2100円だしてもいい作品でした。

星印は、3ッさしあげます。

5点満点中3点 2100円

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